事故にあった子猫Ⅱ
久しぶりに症例報告をさせて頂きたいと思います。
先日、コンビニの駐車場で倒れている瀕死の野良の子猫が運ばれてきました。
来院時は低体温、呼吸困難でショック状態に陥っていました。
状況から考えて車ではねられた可能性が高いと思われました。
レントゲンを撮ってみると・・・
骨盤骨折、肋骨も数か所骨折しており、横隔膜ヘルニアを起こしていました。
(腹腔内の臓器が胸腔内に入り込んでいる状態)
まだ体重が760gしかなかったため手術に耐えられるかというところでしたが、
ICU下にいても呼吸状態の大きな改善は認められなかったため、2日後に手術を行いました。
手術中の写真が出ますので、苦手な方はお気を付けください。
破れた横隔膜から肝臓が一部見えています
肝臓、胆嚢、消化管の一部が胸腔内に入り込んでいる状態です。
幸い臓器損傷、癒着は少なかったため、お腹に臓器を戻して横隔膜の縫合を行いました。
<術後のレントゲン>
胸腔内にドレーンを設置しています
まだ小さい子猫でしたが、翌日からはモリモリとご飯が食べられるようになりました。
優しい方に拾っていただいてよかったね!
今は安全な室内で飼ってもらい、元気に過ごしているそうです。