子宮蓄膿症
1週間まえから食欲・元気がないとのことで来院されました。
12歳の雌のパピヨンです。
身体検査では、お腹が張っているのと心雑音が気になりました。
飼主さんに検査することの承諾を得て、血液検査、レントゲン、エコーと検査を行いました。
血液では白血球値が100000以上(正常値6000~17000)で、お腹には10倍近くに膨れた子宮が見つかり、心臓の方も血液の逆流像が分かりました。
診断は「子宮蓄膿症」です。
これは避妊していない中高齢の犬によくある病気で、子宮内に膿が貯まっている状態です。
治療は基本的に手術です。腎臓や心臓が悪く、麻酔がかけれない子は内科療法を行うときもあります。
この子は心臓の障害がありましたが、内科療法では治らないと判断し、飼い主さんに麻酔のリスクを説明した上で、手術を行いました。
以下は手術後の写真です。生々しいので、苦手な方はお気をつけ下さい。
手術が終わり、目が覚めるまで待っているときの写真です。この小さな体にこんなに膨れ上がった子宮がありました。
子宮の中はすべて膿でした。
無事、手術も終わり、この後3日ほど入院しました。
退院してから、1週間ぐらいで食欲も正常に戻り、元気にしています。
この病気は避妊していれば防げる病気です。
避妊に関して、ご相談されたい方は一度来院していただければと思います。