精巣腫瘍
14歳の柴犬の未去勢の雄の子が、少し前からお腹に出来物があると来院されました。
食欲元気はあり、その子も出来物を気にする様子はないとのことでした。
実際、診察に来られた時の出来物の写真です。
少し分かりにくいかもしれませんが、左鼠径部に固く7cmぐらいのしこりがありました。
去勢手術をしていない子にできることがあるのですが、精巣腫瘍です。
治療法は基本的に手術です。どうしても麻酔をかけれない状態の子は化学療法を用いることもあります。
悪性化し、そのままにしておくと命にかかわることもあります。
飼主さんと相談し、手術にて切除することにしました。
14歳と高齢でしたが、麻酔も安定し問題なく手術を終えました。
切除した精巣の写真です。
左が腫瘍化した精巣、右がやや委縮したもう片側の精巣です。
大きさが全く違います。
腫瘍化した精巣を病理検査したところ、セルトリ細胞腫と精上皮腫の混合腫瘍で、悪性でした。
ただ、手術で完全切除もでき、今のところ転移も見られないので、このまま経過観察です。
今も元気に過ごしています。
この病気は去勢手術をしておけば防げる病気です。
また去勢手術をすると、精巣腫瘍はもちろん前立腺肥大や会陰ヘルニアなど、いくつかの病気の予防となります。
もし、去勢手術を考えているなら、一度相談にいらしてください。